風のささやき

005.小さな石

 

「これ、あげる」


小さな手が持っていたのは 小さな石

なんの変哲もない ただの石

でも それは心を広げる魔法の石

 

私は石が好きだ

 

石はこの地球のかけらだ

長い年月をかけて

空気が水になるように

水が土になるように

土が地面になるように

地面が岩になるように

生きては死んでを繰り返す

 

今 偶然 私の手のひらにある石は

かつては恐竜たちの食べていた

高い場所にある葉っぱだったかもしれない

かつては川を流れる

美しく冷たい水だったかもしれない

かつては貝の中にある

小さな命だったかもしれない

 

そのかけらが 私の手のひらにある

何という奇跡だろう

 

小さな手は私に言う

「石、すきでしょ?」

 

うん すきだよ

あなたがくれた石は もっと特別になる

 

その石は大切に私のポケットにねむる

 

 

白石 静夜(しらいし しずや)

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