「1年1組!準備はいいですかーーー!」の権威の声
「わーーーーーーーーーー!」という大歓声
また、声掛けに応じて歓声が上がる
何度も上がる
何度も 何度も 何度も
これでもかと 高らかでハリとみずみずしさのある声が
我こそはと爆発する
室内のノートと教科書の世界では表しきれない
今にもはちきれていきそうな黄色の大きく密度の高いエネルギー
あふれんばかりの熱気がグラウンドに充満している
初夏の太陽の下で弾ける輝きが、
一歩、また一歩声を上げて前へと進んでいく
「いっち に! いっち に! いっち に!」
調和を保ちながら
お互いの歩調を感じながら
前へ進む
15人の命の束がまるでひとつになったかのようだ
若い声と力強い推進力
もう抑圧されることのない原動力が
前へ 前へ 前へ 前へ 前へ
一心に駆けてゆく
立ち止まり 転んでも
その一つとなった生命体は進むことをやめない
もう一度起き上がり もう一度まっすぐになり
もう一度声をかけて もう一度足を出す
「いっち に! いっち に! いっち に!」
最後の一つの生命体が
地面の白い線を駆け抜けた
止まってよいのに 止まろうとしない
それは調和のなしえる美しい生命体の姿そのものだった
皮膚の内側から電気が走り 胸は高鳴り 涙腺が緩む
この世界の太陽を ここに持ってきたかのような鮮やかさだ
白く反射する地面に負けないほどの
黄色い大きな力を持つからっとした燃え盛るような熱
その生命体は簡単に紐をほどけば
また簡単に別々の個へと帰ってゆく
何事もなかったかのように
それぞれが異なる方向へ進んでゆく
まるで生命の奇跡を見ているかのようだ
白石 静夜(しらいし しずや)