風のささやき

004.あの子の花火

あの子が来ると ぱあんと周りが明るくなる

花火のようにキラキラ光りながら

あっちへチカチカ 

こっちへぴかぴか

 

静かになったと思ったら 

ばーんと大玉

 

真っ黒な何にもない夜空が 

きらびやにはなやぐ


「いつもごめんね」なんていうけど

私はあなたの花火が大好きなの

 

ほら、また



あなたが歩くだけで

こんなにも人が見入ってしまう


素敵な笑顔も 

興味のあるふりも

真剣な眉間も 

笑顔の裏の寂しさも

 

全部全部 あなたの花火

あなたが去ったあとの夜空の暗さ

そこに残るあなたの残り香と灰色の煙

 

寂しくなんかないよ

まだ目の奥にキラキラした光が残ってるから

-風のささやき