風のささやき

028.あめあめふれふれ

 

どんよりとした心を雨が優しく包み込む。

道を見れば傘をさす人たち。

色とりどりの傘の花が咲く夕暮れの薄暗い道が、私の行く先だ。

自転車にまたがれば、足がぐっと力を込めるのがわかる。

太ももに落ちる大きな水滴が私の足をつついては溶け込んでいく。

腕にひやりと滴る雨飛沫は、私の腕をそっと宙に浮く世界に溶かしていく。

あめあめ、ふれふれ、もっとふれ。

私の足が押すペダルで、この場所ではないどこかへ連れて行って。

 

 

 

白石 静夜(しらいし しずや)

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