風のささやき

022.手のひら

 

私の手のひらには何もない。

何もないからといって、なにもないわけではない。

きっと、目に見えない何かが乗っている。

空気? 光? 温度?

それとも、名前の知らない何か?

 

そんなことどうだっていい。

この手のひらは何かをつかむためにあるって

誰かがそう言っていた。

 

そんなこと関係ない。

そんなことどうだっていい。

定義も、定理も、格言も、倫理もいらない。

 

ただ、手のひらというものがそこに在るように感じることが

私にとってのすべてなのだから。

 

ほら、あなたにも

 

 

 

白石 静夜(しらいし しずや)

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