山のふもとにある教会の鐘が鳴り響く。
人々のにぎやかで高らかではじける声がこだまする。
男女の新しい人生の門出の誓いがささげられているのだろう。
だれにささげるのだろう。
愛する目の前の指輪を交換する相手か、
育ててくれた両親にか、見守ってくれている友人たちにか、
幼いころから見守ってくれていると信じる神にか。
病めるときも、健やかなるときも、これを愛し、これを敬い、
慰め、助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?
「はい、誓います。」
その誓いはあたたかな日差しの下に祝福を受け
光とともに、声とともに、山の彼方に溶けいってしまう
どうか、その誓いが、その命尽きるまで真実であるように
どうか、その心を、いつまでも持ち続けられますように
どうか、その笑顔と涙が、彼らの中で大切なものであるように
鐘の響く音とともに 空を仰ぐ
白石 静夜(しらいし しずや)