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028.あめあめふれふれ
どんよりとした心を雨が優しく包み込む。 道を見れば傘をさす人たち。 色とりどりの傘の花が咲く夕暮れの薄暗い道が、私の行く先だ。 自転車にまたがれば、足がぐっと力を込めるのがわかる。 太も ...
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025.アップルパイ
皮膚がべたべたして逃げようのない蒸し暑い朝。 まぶたを透ける光を探すように夢の扉を閉めて目を開ける。 窓の外の日は、すでに我が物顔で薄曇りの空を明るく照らしていた。 重い体 ...
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024.土足厳禁
2026/7/7 短編
どけ。そこは聖域だ。 何をそんなところであぐらをかいている。 ここはお前の来る場所じゃない。 泣けば済むと思っているのか。 隠せば助けてもらえると思っているのか。 人をバカ ...
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023.誓い
2026/7/7 掌編
山のふもとにある教会の鐘が鳴り響く。 人々のにぎやかで高らかではじける声がこだまする。 男女の新しい人生の門出の誓いがささげられているのだろう。 だれにささげるのだろう。 ...
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022.手のひら
2026/7/7 掌編
私の手のひらには何もない。 何もないからといって、なにもないわけではない。 きっと、目に見えない何かが乗っている。 空気? 光? 温度? それとも、名前の知らない何か? そ ...
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021.砂漠の中の一砂粒
2026/7/7 短編
「”特別”って何だと思う?」 隣にいる”誰か”が私に声をかける。 渋谷のスクランブル交差点の上空20mを飛んでいる私たち。 都会の湿った空気は私たちだけを避けて進んでゆく。 ...
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020.筆をもって
「世界よ、僕たちを見つけて。」 黒いスウェットの背の高い彼の言葉。 ささやくような声量だが、願いと痛みと希望を抱く強さがある。 それは黄金の光の声を借りているようだった。 ...
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019.地殻変動
※短編ホラー/恋愛×異界 世界がずれたのは、あの日だった。 キーンコーンカーンコーン…… 放課後を知らせるチャイムがなる。帰りのホームルームが終わった学校は部活やアルバイト ...
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017.forest
2026/7/7 短編
1歩、2歩、あるくと近づく、あの光がある。 それは私を呼んでいるに違いない。私はこの世界の覇者だ。そんな幻想にもとらわれるような甘い誘惑がある。 「見るな」と「見て」が同居したその顔の正体を、私は探し ...